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就寝中に足がつる　　　　　　　　　　　河北新報「診察室」2004･9･6掲載分 　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　ふくらはぎを伸ばす/寝る前に足首を動かし予防 質問：夜寝ていると足がつることがあります。余計に歩いた日などは、とくにそうなのですが、予防法などがあったら教えてください。〔７０代・女性〕 ◆どのようなことが考えられますか。。 　日ごろあまり歩かない人が、歩きすぎ足がひどく疲れているときや、急に足の筋肉に強い力のかかることをしたり、冷たい水中で泳いだときなどに起こる、いわゆる「こむらがえり」と思われます。筋肉が急に収縮して痛みを感じ、けいれんを起こす状態です。よくみられるのが、ふくらはぎに起こる下腿（たい）三頭筋けいれんと、土踏まずの足底筋けいれんです。 　筋肉は、細い筋原線維を最小単位として作られています。筋原線維が集まって、筋線維がつくらえｒ、さらに筋線維の束が集まり、筋肉となっています。 　筋肉の収縮は、筋線維内のタンパク質からなるアクチンと、澪新と呼ばれる筋肉が、シンケイノ刺激を受け互いに引き合って、深く入り込むときに起こります。離れると緩みます。 ◆筋肉が、急に収縮、けいれんするのは 　筋けいれんを起こすメカニズムの難しい説明は省きますが、筋の収縮、弛緩（しかん）には、カルシウムイオン、カリウムイオンがかかわっていると考えられています。体の水分は、細胞内液などの体液としてありますが、その中には筋肉や神経に関係する働きをしているカリウムイオンや、神経の刺激伝達などにかかわるカルシウムイオンといった重要な電解質が、一定濃度を保って存在します。 　例えば普段あまり使っていない筋肉を、急に使ったりすると筋線維（筋細胞）内のカリウムイオンが減少したり、分布が悪くなって筋肉の収縮が生じやすくなります。激しい運動などで筋肉を使うと、金銭以内にさまざまな物質が生成され、細胞内の水素イオン濃度（ＰＨ＝ピーエイチ）が変化して、この場合も筋肉の収縮が起こりやすくなります。こうしたことが相互作用して、筋けいれんが起こるとされています。 ◆筋けいれんが起きたときは。 　こむらがえりの筋けいれん自体は、病気ではありません。筋けいれんを繰り返すのは長くても数分くらいです。急激な筋肉の収縮をほぐすには、引きつって痛みのある足の親指を手で手前のほうへ引き、ふくらはぎを伸ばします。そうすると、けいれんと痛みが治まってきます。足裏のけいれんの場合には、両手で土踏まずを押したり、指先を引っ張ったりします。お湯の中で足を暖め決行をよくすることもいいでしょう。 ◆予防法はありますか 高齢の方は、神経や筋肉の機能が落ちていることや、下腿の血流障害もあって、歩くたびに足をつるケースが増えます。下腿筋に起こることが多い人は、寝る前に足首をよく動かして、血液の循環をよくしましょう。スポーツドリンクなどでカリウムの補給も心がけてください。 　足がつったり、下腿に痛みの起こる状態には、椎間板（ついかんばん）ヘルニアや、脊柱管狭窄症など腰の病気、あるいは足の病気からくることもあります。たびたび足がつる場合は、内科的病気があるかもしれませんから、それぞれ専門の医師に診てもらいましょう。　　　　　　　　　　担当　登米　祐也